◎日々のこと
2020.8.20 | 年を重ねること 母の暮らし |
---|
20年ほど前、一人で暮らしている母の住まいを改装しました。
早めに新しい環境に慣れてほしかったから、念のための準備でした。
段差をなくし、広めの浴室、最新のトイレと自動水栓の手洗い。
床暖房。電磁調理器。天窓からの光も取り入れた明るい室内。壁と天井は珪藻土です。
母が選んだL字型キッチンは、明るい黄色。フラットなワンルーム。
膝が悪いながらも、誰のお世話になる事もなく一人で家事もしゃきしゃきこなし、
時にはシルバーコーラスに通い、本もよく読み、小さな畑仕事や庭先の草引きも。
ところが90歳の夏、ラクナ梗塞(軽めの脳梗塞)に。
幸いにも後遺症は少なく、リハビリのお陰でほぼ回復。
介護の皆様のお力を借りながら、『日々の暮らしもリハビリ』と頑張って、今年93歳に。
これまで、なにか作っては持って行き、母と少し話をし、様子を確認したり。
一緒に美味しい食事に出かけたり、美容院、病院、お買い物にも行きました。
たまには近くにドライブや温泉に。介護施設を(いつか入居も見据えて)いくつか見学したりもしました。
この夏、気になっていた施設に空き部屋が出たとのご連絡。入居することになりました。
母は潔く、娘の私が悩む…の構図。
娘の想い、母の想い・・・重なり合って、思いあっての一歩でした。
コロナ感染予防・・・そのための面会禁止・・・重く悲しい日々が続いています。
何がよいことなのか、考えます。
いままで住み慣れた『家』の暮らしを続けるべきか、考えます。
母が新しい暮らしや環境に慣れて、母なりに工夫し、
楽しい関わりを作っていけるよう寄り添いたいと思います。
年を重ねる暮らしに必要なことは、その安全な装置だけではないと思います。
一緒の笑顔、楽しい会話、美味しい食事、誰かのために何かできる事、関わる時間があること。
生きていることを、ただ喜べるようにと。
母の暮らしは、いつか自分のいく道です。
素敵なおばあちゃんを目指して、私も頑張るからね。