インテリアデザイン  ATELIER SOU ( アトリエ ソウ )

◎日々のこと


2021.6.24
こども園カーテンのこと

7月開園予定のこども園からカーテン単独の提案をご依頼いただきました。

図面確認、現場確認 ・・・ 提案のためのいつもの準備基本プロセス。

内装クロスサンプルを取り寄せ確認し、カーテンのプランに掛かりました。


早速現場に伺い、カーテンレールの取り付け下地を確認 ・・・ レールが取り付け可能な場所は?

天井か壁か ・・・ どの位置にビスが打てるか確認します。

建具の開閉の確認 ・・・ 何かとぶつかりはしないか?

平面図や展開図など、図面が最終の仕上がりとは限らない現場も意外に多い怖さ。

現場確認作業も念入りに行いました。


たとえばこんな納まり ・・・ かなり苦しいです。

天井いっぱいに取り付けられた収納の開き扉 ・・・ レールに当たってしまいます。


廻り縁(天井と壁の間にある部材)の高さ分、かろうじてレールを天井付けすればセーフ。

解決策をひねり出さなければいけない辛さ ・・・。


カーテンなどの仕上がり高さについてご提案するために ・・・

窓下に家具は置けるか、その高さはどうか? 確認します。


設計段階から記入されていた、キッチン前のアコーディオンカーテン。

施工工務店が四苦八苦して取り付けてしまっていました。

キッチン上部の収納の開き扉がカツンと当たる残念な仕上がり。

図面を見ればわかったことなのに・・・

今回、仕上がりの最後に、カーテンのご提案に関わることになってしまいました。


もっと早くにお声かけいただければ ・・・

今回のカーテン単独の提案は、どうにもできないことも多く、辛いご提案となってしまいました。


人の動き、ものの動き、能率や快適さに配慮して、ご提案すべきと思います。

奥行きの深い収納の先の両開きの窓 ・・・ 開け閉めにも手が届きません。

同じく『提案するもの』として、恥ずかしく感じました。


色の効果をご説明し、遮光、抗ウィルス、抗菌などの機能と合わせてご決定いただきました。


0~2歳児の部屋は、淡い穏やかなピンクを選びました。



3歳児・4歳児・5歳児のお部屋は、少し躍動感のある緑に。


どんな時期にどんな状況でお仕事に関わらせていただいても、

自分の出来ることはやりつくしたいと思います。

デザインすることに手は抜けません。

決して他の方の仕事を批判してはいけないと思います。でも残念に思えた現場でした。


デザインを提案する人、施工に関わる人、もちろんクライアントも含め、それぞれの立場で、

いい形で向き合うべきと思います。

安心して楽しみにして完成を待っていただけること ・・・ 当たり前のことですが、それが素敵。

クライアントの希望に沿い、柔軟に発想し提案し、まとめて、託され、誠実に形にしていけたらと

あらためて思いました。


にぎやかな笑顔と、輝く瞳にあふれ、さまざまな成長を見守るこども園が完成しました。

益々のご発展をお祈り申し上げます。



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