◎日々のこと
2022.11.30 | 額装のこと |
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もうすぐ新築マンション竣工お引渡しとなったT様から、額装のご相談を頂戴しました。
大切な記念の風呂敷を額装されたいとのこと。
額師風雅さんの工房をT様とご一緒に訪問しました。
絵額はオブジェと同様、飾られる空間にぬくもりや華やかさ、あるいは凛とした風格・・・
様々な角度で、飾られる壁や佇まいの完成度を上げてくれます。
風呂敷を拝見し、そのイメージ、どの場所に飾られたいかなど、お話を伺いました。
仕上がりの空間、内装、照明など・・・飾られる壁と額装の仕上げの関係は大切だと思います。
額縁・・・色は黒。 海を連想させる青の地と関連させて鱗のような表情のものに。
男性的で凛々しい印象です。
マット紙の代わりに今回はベージュの正絹・・・雅で華やかに。
風呂敷は裏打ちされ、4㎜立ち上がりのうえ生地を巻き込み、立体的に浮かせるような仕上げ。
紙や写真の平面構成ではなく立体にすることで、ちりめんの表情がより豊かに感じられます。
鈍いサテンのラインとクロムシルバーの細いシャープなライン。
それらがさらにその風呂敷の静かな勇猛さを際立たせています。
額装は、その中に入れるものの魅力をさらに引き立たせ、いい状態で飾れるように守る役割のものです。
額装の仕上げの色や形状・・・素材や仕上げの組み合わせは自由自在。
小さなデザインかもしれませんが、その表現は豊かで深いものだと思います。
今回の額装、ご主人様もお気に召してくださったとのこと。風雅さんの丁寧な製作に感謝申し上げます。
伝えること、汲み取ること、表現すること、そして創ること・・・連携して仕上がっていれば嬉しいです。
ゴージャスに魅せるだけではなく、作品に深みを加える額装。
飾る方の生き方さえも表してしまう・・・それが「額装」であり、インテリアなのかもしれません。
額装された作品を見て、何を感じ受け止めていらっしゃるか?
魂を安らかにすること、
心を奮い立たせること、
優しく過去を懐かしむこと、穏やかな未来を願うこと、
清々しい気持ちになれること・・・そのときそのとき、様々な想いが重なっているかもしれません。
住まいの中で暮らしを彩り、そっと寄り添ってくれますように願っています。